研究に役立ったものを紹介する

学部4年~修士2年までの研究で便利だと思ったサービスや参考になった(あるいは参考になりそうな)資料を紹介します。研究室内の学生間の交流がコロナ禍のために減ってしまってノウハウやTipsを共有する機会がなかったわけですが、このまま卒業してしまうのももったいないと思ったので書きました。何か少しでも参考になれば嬉しいです。

文献調査と管理

Zotero

Zoteroのスクリーンショット

Zoteroは文献を管理するためのオープンソースソフトウェアです。 様々な文献をカテゴリ分けして管理でき、ブラウザの拡張機能からワンクリックでPDFを取得して保存できます。 もし手動でPDFファイルの管理をしているのならこのような文献管理ソフトを利用することをおすすめします。 Better BibTeXアドオンを利用するとLaTeXで利用する文献リスト(BibTeXやBibLaTeX)を自動的に出力できるので、文献リストを手動で書いている人も使ってみるといいと思います。 類似の文献管理ソフトウェアとしてはMendeleyというのもあります。

Connected Papers

Connected Papersのスクリーンショット

https://www.connectedpapers.com/

ある文献に関連する文献をネットワークグラフとして可視化するアプリケーションです。 引用数が多い論文ほど大きく、新しい論文ほど濃い色で表示されます。 文献は内容の類似性に従って並べられており、特に関連性の高いものは線で繋がれています。 引用されていない文献やその研究分野で有名な論文を見つけられるため、文献調査に役立ちます。

論文の読み方

https://speakerdeck.com/kaityo256/how-to-survey

論文の読み方について解説したスライドです。 初めて論文を読む・論文を読み慣れていないという人は見てみると良いと思います。

メモ書き

HackMD

HackMDのスクリーンショット

https://hackmd.io/

Markdownでメモをとったり文書作成するためのアプリケーションです。 Slackで紹介したことがあるので研究室でも使っている人がいるかもしれません。 入力したMarkdownの表示をほぼリアルタイムで確認することができ、数式やGraphvizなどによる図の表示にも対応しています。 僕は研究に関するちょっとしたメモや論文執筆のドラフトなどは全てHackMDを利用して書いており、かなりお世話になりました。 作成したノートはタグを用いて分類することができますが、情報の整理に重点をおきたい場合はNotionなどを使うと良いと思います。

機械学習

ニューラルネットワークと深層学習

https://nnadl-ja.github.io/nnadl_site_ja/

研究で機械学習を試してみたことがあり、それにあたって機械学習とは何かというのを学習するために読みました。 ニューラルネットワークと深層学習について基本的なことから理解できます。 元々は英語で書かれた無料の書籍で、リンク先はそれを和訳したものです。 機械学習を初めてやる人やどこから手を付けたらいいか分からないという人に良いかもしれません。

Sony Neural Network Console

Sony Neural Network Consoleのスクリーンショット

https://dl.sony.com/ja/

ニューラルネットワークをコードを書かずに構築し学習・実行するためのソフトウェアで、Sonyによって開発されています。 自前のハードウェアリソースを使う分には無料で使えます。 ニューラルネットワークの概要は分かったけど実際にコードを書くのはハードルが高いと感じる場合はまずこれで色々試してみると感覚がつかめると思います。 知らないレイヤーや活性化関数などを知ることもでき、それらを試すのも容易なので初めの一歩として良い気がします。 公式の解説動画(YouTube)が充実しているのも嬉しい。

後からPythonで実装したいとなった場合でもnnablaライブラリを利用するとPythonのコードとしてエクスポートできます(試したことはない)。 新しめの手法だとネットワークが定義されていなかったりするのでそこは注意が必要です。

Papers With Code

Papers With Codeのスクリーンショット

https://paperswithcode.com/

コードがGitHubなどで公開されている機械学習に関する論文のまとめサイトです。 カテゴリ別で様々な手法を探すこともできるので、とりあえず動かしてみたいというような場合に役立つと思います。

WebGL

WebGL 開発支援サイト wgld.org

wgld.orgのスクリーンショット

https://wgld.org/

WebGLを用いてコードを書いていた時に見つけたサイトです。 ライブラリを利用しない素のWebGLを元にした解説コンテンツがかなり充実しており、WebGLのみならずCGの基本的な知識もカバーされていると思います。 日本語なので読みやすいです。

論文執筆

優れた研究論文の書き方

https://www.slideshare.net/kdmsnr/how-to-write-a-great-research-paper-226669082

研究論文を書くためのシンプルな7つのアイデアを紹介するスライド。 Microsoft ResearchのHow to write a great research paperを和訳したスライドです。

Natureの投稿案内

Natureの投稿案内のアブストラクトの書き方部分

https://www.natureasia.com/pdf/ja-jp/nature/authors/gta-2017.pdf

Natureの投稿案内ですが、「アブストラクトの作り方」が分かりやすいとして色々なところで紹介されていました。 アブストの書き方の参考になると思います。

Hyper Collocation

Hyper Collocationのスクリーンショット

https://hypcol.marutank.net/ja/

arXivに収録されている論文から例文を検索できるアプリケーションです。 入力した検索語句の前後によく使われる言葉を頻度順に表示してくれるので、英語論文を執筆する時に単語の用法で迷った時に便利です。 よくある言い回しを検索でき、ベターな表現を知ることができます。

その他・Tips

研究をはじめる前に知っておいて欲しい7つのこと

https://speakerdeck.com/kaityo256/welcome-to-lab

慶応大の研究室の配属ガイダンスで用いられている資料。 研究をするにあたっての心構えのようなものが紹介されています。 色々な研究室でも当てはまることは多いと思います。

Microsoft Edgeの読み上げ機能

国際会議で英語で発表をするときの練習にEdgeの読み上げ機能を活用しました。 Edgeにはウェブページを音声で読み上げてくれる機能があり、それを利用して発表原稿を読む練習をしていました。 おすすめのやり方としてはGoogleドキュメントで原稿を書いてEdgeの読み上げと同時に音読する方法です。

読み上げエンジンはアメリカ・イギリス・カナダなど地域ごとに用意されていて発音の違いが分かって面白いです。 ちなみに日本語の読み上げエンジンもあります。 Internet Explorerからの流れでEdgeにいいイメージを持っていない人がいるかもしれませんが、Chromium版になってから随分便利になっているので読み上げ機能以外も一度使ってみて欲しいです。

IEEE Xploreを北大図書館のリモートアクセスで開きなおす

文献調査をしていてIEEE Xploreにたどり着くことがありますが、目的の文献がオープンアクセス不可のことがあります。 この時はURLのホスト名をieeexplore.ieee.orgからieeexplore-ieee-org.ezoris.lib.hokudai.ac.jpに置き換えると簡単に北大図書館のリモートアクセス経由で開きなおすことができます。 ブラウザに下記の内容でブックマークレットを登録しておくとクリックするだけで開きなおすことができます。

javascript:if(location.hostname == "ieeexplore.ieee.org"){location.href = location.href.replace(location.hostname, "ieeexplore-ieee-org.ezoris.lib.hokudai.ac.jp");}
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